私と司法試験とのなれそめ



私は,このホームページの「弁護士紹介」にもあるように,法学部出身ではありません。

そのこともあって,よく「何故弁護士になったのですか。」と聞かれるのですが,この問いに対しては,「なりゆきです。」と答えています。

もちろん,いろいろ考えるところがあって最終的に司法試験を受けることにして,そして弁護士になっているのですが,現代文の試験風に「あなたが弁護士になった理由を10字以内でまとめなさい。」ということになると,「なりゆきです。」と書く(言う)のが正解ということになります。

その「なりゆき」は,大学4年生のときに司法試験を受験しようと思い立ったことに始まるのですが,そのとき偶然手に取ったのが「あなたも2年で司法試験に合格できる!」という趣旨のことが大きく書かれていた司法試験予備校のパンフレットでした。私はこれを真に受けて,他の手段について特に検討することなく,このパンフレットでプッシュされていた「司法試験入門講座」というものを受講することにしたのでした。

その「司法試験入門講座」の講師が伊藤真(いとう まこと)先生でした。司法試験の勉強を開始してから知ったのですが,伊藤先生は,司法試験の世界で「カリスマ講師」と言われている先生でした(なお,法学の世界の「いとうまこと」先生には,民事訴訟法の学者もいらっいますが,別人です)。

私が法律の勉強を本格的にしたのは,この伊藤先生の入門講座での勉強が初めてだったのですが,本当にわかりやすく,抵抗なく法律の世界に入っていくことが出来ました。私は,もともとは法学部志望だったのですが,法学部の受験にはことごとく失敗し,経済学科に入り,それでも法律の勉強に未練があって,大学2年のときには,卒業の単位と関係なく,他学部の授業を選択できるという制度を使って,法学部の刑法総論の授業をとってみたのですが,最初の授業からして,全くのちんぷんかんぷんで,2回目以降の授業には出なかった程だったので,私が抵抗なく法律の世界に入っていくことが出来たのは,私に法律学の素養がもともとあったからではなく,伊藤先生が,初心者に分かりやすく教えることに長けていたからに他ならないと思います。

「あなたも2年で司法試験に合格できる!」というのを真に受けて始めた司法試験の勉強で,結局は2年では足りずにかなりの時間を要してしまったのですが,それは専ら私の「トータルな力」の結果であって,挫折せずに合格できたのは,伊藤先生の入門講座で司法試験の学習を開始したからだと思っています。

その伊藤先生が,8月31日に長野県弁護士会主催の憲法問題学習会に講師としていらっしゃいます。

憲法については,安倍首相が憲法改正に並々ならぬ意欲を見せていることもあって最近では社会の関心も高く,書店でも硬軟織り交ぜた種々の本が平積みになっていたりします。それでも憲法というのはいかにもお堅い話で取っつきにくいなと感じたり,あるいは,「憲法改正に賛成・反対」ということが政治的な話で何だか考えるのが面倒だし,話しにくいという感覚をお持ちの方も多いと思うのですが,先に書いたように,講師の伊藤先生は,初心者に分かりやすく教えることに長けている先生ですので,気付いたら話に夢中になっていること請け合いです。

勉強会のテーマが「改憲案に異議あり!なぜ、今「国防軍」なのか」ですから,明らかに「護憲」の立場からの講演会なのですが(笑),「改憲」に賛成する方が聞いても興味深い内容で,自身の憲法に関する考えをブラッシュアップする機会になると思います。

土曜日ではありますが,多くの方に来て頂いて,護憲の立場の方も,改憲の立場の方も,また,そもそも憲法についてあまり考えたことがない方も,改めて憲法について考える機会になればよいなあと思っています。


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